予防医学

 

 

 中国医学の古典の根底を貫く哲学・思想に「未病を治す」と言うものが有ります。中国伝統医学の最重要古典である『黄帝内経』には

「是の故に聖人は已病を治さずして未病を治す、已乱を治さずして、未乱を治すとは、此れをこれ謂うなり。夫れ病已に成りて後にこれを薬し、乱已になりて後にこれを治するは、譬うれば猶渇して井を穿ち、闘して錐を鋳るがごとし、亦た晩からずや。」

という文があります。これは聖人は既に病気になってから治療するのではなく未病を治療し、病になってから治療するのは喉が渇いてから井戸を掘ることを考え、戦争が始まってから武器を作り始めるのと同じで遅すぎるという意味です。また鍼について書かれた巻では「上工は未病を治し、已病を治さず」とも書かれています。湯液(漢方薬)では上品(じょうほん)中品(ちゅうほん)下品(げほん)に分類され、上品は養命薬、毒性がなく長期服用してもよく、中品は養性薬、使い方次第では無毒にも有毒にもなる、下品は治病薬、有毒で長期服用はしてはいけないとされています。

 また周礼という周王朝(中国の古代の王朝)の制度についての古典の中に、医師という官職を四種の専門医に分け、位の高い順に・食医(食事療法医)・疾医(内科医)・瘍医(外科医)・獣医(軍馬、牛などを治療)と分けられています。内科医や外科医より食事療法医のほうが上だというところからも「未病を治す」という思想が窺えます。「なんだ鍼灸より食事のほうが大事なのか」と言われそうですが(実際、食事が招く重篤な病も多いですが)、生まれつきの体質、生活の中でのストレス、疲労の蓄積、外敵侵害などにより崩れてしまった臓腑のバランスなど食事療法だけでは改善出来ない問題も有ります.また現代社会において「未病を治す」「上工は未病を治し、已病を治さず」とはどういう意味なのか?鍼灸は病をどれだけ防げるのか、病になった時はにはどれだけの事が出来るのか、聖人というレベルには全く及ばない自分ですが、病にならない体、病になっても直ぐに治ってしまう体を追求し続け、患者さまの健康に貢献できればと思っております。

 

 

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